年末から年明けにかけて読んでいた本。
『青の炎』(貴志祐介 著)
これも再読。
名作というのは言わずもがな。
改めて読んでみて、物語の筋道の緻密さに唸らされる。
もうだいぶ昔の書籍とされてしまうのだね。
月並みな言い回しになってしまうけど、まさに“色褪せない”。
小説好きで未読の人は手に取って損はないと思う。
これは映画もいいんだよね。
二宮和也氏と松浦亜弥氏という、イロモノキャスティングと見做されかねない人選。
それを悉く覆す、静かで鮮やかな熱を帯びた筋運び、演技、演出。
読み応えのあるストーリーは損なうことなくそのままに、さらに場面ごとの色彩、画角などが非常に印象に残るつくりになっていたように記憶している。
いや、観たのがだいぶ昔だから記憶違いかも知れないが……。
エンターテインメントでありながら、もれなく映像美も付いてくる映画、と、観た当時はそんな印象を持ったものです。
もう一度観て確認しようかな。
また観てみたくなってきたな。
監督は蜷川幸雄氏。
良い小説の条件の一つに“読後感”があると思う。
その点でいうとこの『青の炎』は格別。
結末がわかった上で読んでいても、甚く胸が締め付けられる。
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■今日の一曲
Say Sue Me「Crying Episode」
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