BOOK レビュー 「真珠夫人」(菊池寛 著)

菊池寛 著「真珠夫人」。
これ、いい本です。


15年ぶりぐらいの再読。
当時読んだ際もいい小説だなあと思ったけど、改めて読んでみて、現代に埋もれさせるには勿体ない物語だと再認識。


菊池寛に関しては、ベタに「藤十郎の恋」「恩讐の彼方に」などから手を出していたわけだが、続いて本書や「貞操問答」などを読んだ時には「え、これ同じ人が書いたの?」と衝撃を受けた。
というか、同一人物による著書なのかという問題を越えて、
「同じ時代に書かれたお話なの?」 
こう表現した方が正しいか。


それほどに、古さを感じさせない。
新しい、小説だった。


この筋なら、時代背景を変えてリメイク版としてドラマ化などしたらきっとおもしろいだろうに。
昨今のくだらない脚本よりも大いにエンタメ性があるように思う。
いや、今ドラマ化などしたらおかしな脚本家がついて作品を凌辱されかねないか…。
直近だと、2002年にテレビドラマ化されていたらしいね。
そのドラマの出来はどうだったんだろう。
ともあれ、小説は、素晴らしく良いです!


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